ゼニカルを個人輸入して使うのであれば、副作用のリスクを十分に理解しておくことが大切です。ゼニカルは決して重い副作用が出やすい薬ではありません。
副作用の知識を身に着けておくことが、かえって安心してゼニカルを使うことに繋がります。
ゼニカルの副作用について、アメリカのFDA(アメリカ食品医薬品局 )という公的な機関が発表している資料を基に、自身の体験を交えて解説してみました。
主な副作用は胃腸に関する症状
FDAの発表している資料には、ゼニカルの副作用の発現率が検証された臨床成績が記載されていました。臨床試験では、1913人を対象にゼニカルの投与が行われています。
以下の表は、臨床試験で確認された主な副作用を和訳したものです。
下着などへの油染み | 26.60% |
排泄時のおなら | 23.90% |
急な便意 | 22.10% |
油を含む便 | 2.0% |
油の排泄 | 11.90% |
排便回数の増加 | 10.80% |
便失禁 | 7.70% |
主な副作用として、油に関する症状が多く報告されていることが分かります。ゼニカルは脂質の吸収を抑えて排泄する薬ですので、お尻から油が出るのは正常な効果が出ている証拠でもあります。
とはいえ、油で服など汚してしまうこともありますので、しっかりと対策する必要があります。
その他、おならや便など消化器系に関する副作用が多く報告されています。ゼニカルを飲むと消化不良に近いような状態になり、全体的にお腹が緩くなります。
おならをしたくなる回数が増えます。
ゼニカルの副作用として個人的に感じたのは「凄くおならがしたくなる」ということですw
大体ゼニカルを飲んだ翌日か翌々日くらいから、おならを催すようになります。
危険なのが、単なるおならだと思って気を抜くと、一緒に油が飛び出すということです。ゼニカルを飲むと、おならと油の区別が本当につきません。
使用中は、自分の肛門の感覚を信じないことが鉄則です。ナプキンなどを付けていない無防備な状態でのおならは絶対にNGです!
急激に便意や腹痛に襲われることがあります。
ゼニカルを継続して使っていた期間は、お通じも良くなっていました。
もともと便秘気味だった私からすると、棚ぼたな副作用でもありますが、同時に腹痛の頻度も増えたのは結構キツかったです。
家の中ならともかく、仕事中に腹痛に襲われると焦りましたね。
しかも、便に混じった油で便器が汚れるので、自宅以外のトイレは極力使いたくないんですよね。
出先でトイレに行く際には、限界に迫る便意をギリギリでこらえながら、極限状態でトイレットペーパーを敷いてからしていましたw
なかなかのスリルが味わえますww
ビタミン不足による肌荒れが生じることもある
長期的にゼニカルを使用した場合の副作用として、健康や美容に欠かせないビタミンの欠乏が生じることがあります。
余分な脂質の吸収を抑えるゼニカルですが、同時に脂溶性ビタミンやβカロチンの吸収も妨げます。脂溶性ビタミンには、ビタミンA、D、E、Kが含まれます。
慢性的な脂溶性ビタミンの欠乏は、肌荒れに直結します。特に抗酸化作用があるビタミンAが不足すると、皮膚の健康を保つ働きが損なわれて、ニキビなどの肌荒れが生じやすくなります。
マルチビタミンサプリメントで対策しましょう。
ゼニカルによるビタミン欠乏の副作用の予防には、ビタミン剤の摂取が効果的です。
食事内容の改善によってビタミン摂取量を増やすのも手段の一つですが、食事中にはゼニカルが作用しますので、あまり効率的ではありません。
効果が切れる食後2時間以降のタイミングを狙って、ビタミン剤を摂取するのが効率的です。
私はゼニカルを個人輸入する際に、一緒にマルチビタミン剤も購入していました。
肝障害や胆石症などの重い副作用
ゼニカルの重い副作用として、肝臓の機能障害が確認されているようです。
There have been rare postmarketing reports of severe liver injury with hepatocellular necrosis or acute hepatic failure in patients treated with XENICAL, with some of these cases resulting in liver transplant or death.
訳:ゼニカルで治療された患者に肝細胞壊死または急性肝不全を伴う重度の肝障害のまれな市販後の報告があり、これらの症例のいくつかは肝移植または死亡をもたらした。
orlistat – FDAより
肝機能障害の初期症状としては、黄疸(皮膚や白眼が黄色くなる)、暗褐色の尿、明るい色の便、右上腹部の痛み、全身の痒みなどが挙げられます。肝障害と思わしき場合には、すぐに病院を受診するようにしましょう。
また胆石症の発現リスクがゼニカルを使用していない患者に比べて高くなったとの報告もあります。(胆石症とは、胆のうや胆管に石ができる病気です。重症化すると肝機能障害に繋がることがあります)
the rates of cholelithiasis as an adverse event were 2.9% (47/1649) for patients randomized to XENICAL and 1.8% (30/1655) for patients randomized to placebo.
訳:有害事象としての胆石症の発生率は、ゼニカルを使用した患者では2.9%(47/1649)、プラセボが使用された患者では1.8%(30/1655)でした
orlistat – FDAより
わずか1%程度ではありますが、リスクの上昇が示唆されています。
胆石症は、重症化すると肝機能障害に繋がる危険な病気です。
みぞおちの激しい痛みや吐き気、嘔吐などの初期症状に注意しましょう。
ゼニカルの副作用は使ってみないと分からない
ここまで副作用に関する情報を紹介しました。
ゼニカルは重い副作用がでやすい薬ではありませんが、お腹が緩くなったりなどの副作用はどうしても避けることができません。
大切なのは、副作用への対策を怠らないことだと思います。ゼニカルを続けられるのは、ナプキンの着用など面倒くさがらずにきちんと行える人です。
とはいえ、このページの情報だけでゼニカルの使用の可否を判断するのは難しいと思います。
おならや腹痛の副作用がどんなものか?実際に使ってみないことには理解できません。副作用を試してみたいという人には、少量から安く買えるジェネリックもあります。